自社サイトのアクセス数を増やすためには、検索結果からの流入数を増やすことも重要です。
検索結果からサイトへのアクセスを増やすための手段には、大きく分けてリスティングとSEOがありますが、それぞれの違いについて理解できているでしょうか?
今回はリスティングとSEOの違いや使い分ける方法について詳しく解説します。
リスティング広告とSEOの基本をおさらい
リスティング広告とSEOは、どちらか一方だけではなく目的に合わせてそれぞれ使い分けることが大切です。活用方法を紹介する前に、まずはそれぞれの基礎知識についておさらいしていきましょう。
リスティング広告とは
リスティング広告(検索連動型広告)とは、検索エンジンでユーザーが特定のキーワードを検索した際に、検索結果の画面に表示されるテキスト形式の広告です。
リスティング広告は自然検索結果よりも上に表示されることが特徴で、ニーズが顕在化しているユーザーへのアプローチに効果的です。
リスティング広告の代表的な掲載場所はGoogleとYahoo!の検索結果です。日本では検索エンジンの利用ユーザー全体のうち約9割がGoogleとYahoo!を利用しているため、この2つの検索エンジンにリスティング広告を掲載することで、検索を利用しているユーザーのほとんどにアプローチできます。
なお、リスティング広告については以下の記事で詳しく解説しています。
リスティング広告の仕組みを徹底解説!住宅会社での効果的なやり方も紹介
SEOとは
SEO(検索エンジン最適化)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでユーザーが特定のキーワードを検索した際に、自社サイトが上位に表示されるようサイトを最適化することです。
SEOは自社サイトをユーザーの検索ニーズに合わせて最適化することに加え、コラムなどのコンテンツメディアを運用するなど施策内容は多岐にわたります。
近年は顧客の購買行動の変化に伴い、コンテンツマーケティングに重点を置く企業が増加しており、SEOへの注目もさらに高まっています。
なお、SEOについては以下の記事で詳しく解説しています。
Web集客にはSEOが重要!基礎知識からハウスメーカー・工務店の成功事例も紹介
リスティング広告とSEOの違い
リスティング広告とSEOはどちらも特定のキーワードを検索したユーザーが、自社サイトへ流入するための施策であることがわかります。
しかし、リスティング広告とSEOにはいくつかの違いがあるため、違いを理解した上で使い分けることが大切です。詳しく見ていきましょう。
効果が得られるまでの期間
リスティング広告は広告費をかけて検索結果画面の上部に表示させる仕組みのため、比較的短期間で成果が出やすい施策です。
一方、SEOはコラムを継続的に掲載するなどして、時間をかけて検索エンジンの評価を高め自然検索結果の上位に表示させるため、成果が現れるまで少なくとも半年〜1年ほどかかります。
そのため、期間限定のキャンペーンなど短期的な成果を求める場合は、リスティング広告が向いています。
SEOは自社サイト自体の価値を高めるため、長期的なブランディングやナーチャリング(顧客育成)を目的とした場合に有効です。
掲載順位のコントロール性
リスティング広告は前述の通り広告費をかけて掲載するため、広告費用をかけるほど掲載順位が上位に上がりやすくなります。ただし、リスティング広告の掲載順位は広告費用だけではなく、広告文の品質やリンク先のランディングページの品質でも評価されることは念頭に入れておきましょう。
一方でSEOは検索エンジンのアルゴリズムをもとに自社サイトの掲載順位が決まるため、リスティング広告のように必ず上位に掲載される手法はありません。SEOの場合は、ユーザーの検索意図にどれだけ適した内容であるかが上位表示の基準となります。
なお、ランディングページについては以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
ランディングページとは?工務店・ハウスメーカーが活用するメリットと作り方のコツを紹介
施策開始後の運用コスト
施策開始後にかかる運用コストにも違いがあります。
リスティング広告は掲載するために広告費用を継続的に支払う必要があり、安定したアクセス数を担保するためには毎月数十万円〜数百万円の運用費用がかかります。
一方SEOでは、サイト内のタグなどを一度調整すればその後はメンテナンス費用やコンテンツ作成費用のみで済むため、毎月の運用費用は比較的安価に抑えつつ継続的な効果が発揮できる点が特徴です。
外注する範囲にもよりますが、SEOの方が社内リソースの確保が必要になるケースが多いでしょう。
長期的な費用対効果
長期的な費用対効果を期待する場合はSEOが適切です。
理由は前述した運用コストにも記載した通り、リスティング広告は広告費用を支払い続けることで掲載される仕組みのため、広告出稿を停止すれば効果はゼロになります。
一方SEOでは、一度実施した施策や公開したコラムは広告費用をかけずともインターネット上に残り続けます。
そのため、適切な施策を実施していれば長期的に集客できる資産になり得るでしょう。
検索結果上でのABテストの実施可否
検索結果上でABテストを実施したい場合は、リスティング広告が向いています。
なぜなら、SEOでは主要タグの変更が検索結果に反映されるタイミングがコントロールできないなどの理由で、基本的にABテストができないためです。
リスティング広告であれば、同じターゲットやキーワードに対して異なる広告文を掲載することが管理画面上の設定で可能なため、よりユーザーに効果のある訴求を見極めたい場合にはリスティング広告でABテストを行うといいでしょう。
リスティング広告とSEOの使い分け方法
リスティング広告とSEOはそれぞれに特徴があるため、どちらか一方のみを利用するのではなく併用することで効果を最大化できます。
ここでは、それぞれの特徴を踏まえて、どのようなケースでどちらを利用するべきか具体的な例を紹介します。
リスティング広告とSEOは基本的に併用する
リスティング広告とSEOはどちらが効果的かを一概に判断することはできず、状況や目的に応じて使い分けることが大切です。また、予算を捻出できる場合はできるだけ併用することで、お互いのデメリットを補完できるため成果が高まります。
それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。
リスティング広告 | SEO | |
メリット | 短期間で成果が上がる、必ず上位表示できる | 長期的な費用対効果が高い、自社サイトが資産になる |
デメリット | 広告費をかけないと効果が出ない、クリック率が低い | 成果が上がるまでに時間がかかる、上位に上がる保証がない |
リスティング広告は短期間で効果が現れるため、サイトの立ち上げ初期やSEOの取り組みの初期段階でアクセスを担保したい場合に有効です。一方SEOは効果が出るまでに時間がかかりますが、適切な施策を実施すればリスティング広告のように毎月多額の費用をかけずともアクセス数を稼げます。
これらの特徴をうまく活かして施策を組み合わせることで、自社サイトへのアクセス数を安定して伸ばすことができるでしょう。
リスティング広告に注力すべきケース
リスティング広告に特に注力すべきケースとして代表的なのは、すぐに効果を得たい場合やテストマーケティングを行いたい場合です。
例えば、小売業であれば年末年始の商戦期に集中的に売上を伸ばしたい場合などはリスティング広告に予算を割いて、短期的な成果を狙うといいでしょう。
また、SEOでは不可能なABテストなどを実施したい場合にもリスティング広告は有効です。
SEOに注力すべきケース
SEOに注力すべきケースとしては、自社サービスのファンを長期的な視点で育成したい場合や、広告に頼らず自社サイトの集客力を伸ばしたい場合です。
特に多くの企業が取り組んでいるコンテンツメディアの運用は、さまざまなキーワードで検索上位にあげることができれば自社サービスに関連するニーズを持ったユーザーに広くアプローチできる効果的な方法です。
ハウスメーカー・工務店がリスティング広告とSEOを利用するポイント
新型コロナウイルスの影響や顧客の購買行動の変化から、近年ではハウスメーカーや工務店でもWebマーケティングに注力する企業が増えてきています。
なぜなら、住宅の購入過程では相談会や展示会に集客する必要がある点は現状でも変わりませんが、どの住宅会社の相談会・展示会に行くかの意思決定はWeb上で情報収集する顧客が増えているからです。
そのため、住宅会社でも相談会や展示会に集客するための前段階としてリスティング広告やSEOの活用は欠かせません。 ここではどのように活用すればより効果的か具体的に紹介します。
企業のブランディングや顧客育成にSEOを活用する
顧客がハウスメーカーや工務店を選ぶ際に重要視するポイントの一つに、その企業のこだわりや得意な工法、デザイン性などがあります。
これらを詳しく発信する方法として活用したいのがSEOです。SEOを意識したコラムや事例ページを作成し、自社のこだわりや得意領域を存分に紹介することで自社の良さを理解した見込み度の高い顧客を集客できる可能性が高まるでしょう。
また、住宅を購入する際に顧客が疑問に感じるポイントをコラムなどで丁寧に説明することで、顧客との信頼関係を築けるツールとしても活用できるのはSEOの魅力の一つです。
このように顧客育成を行うことで、数年後に住宅を購入する可能性がある顧客に対しても自社のブランドイメージをアピールでき、将来的な顧客の囲い込みにもつながります。
展示会への集客やキャンペーン施策はリスティングを活用する
展示会などへの集客を目的とした場合や、期間が限られたキャンペーンのコンバージョンをあげたい場合はリスティング広告が有効です。
リスティング広告ではクリックしてもらいやすいユーザーを選定して広告を表示させるため、短期的にコンバージョンを得られる確率がSEOより高い点が特徴です。
ただし、集客数を確保するためには目標数に応じた広告費をかける必要があるため、あくまでも短期集中型の施策に活用することをおすすめします。
リスティング広告で収集したデータをSEOに活用する
リスティング広告では、クリックしたユーザーの属性やデバイス情報などのデータを収集できる点も魅力の一つです。収集したデータから、自社サービスに興味のあるユーザーの年代や性別、閲覧している時間帯やデバイス、さらによくクリックされる広告文などの傾向を分析することで、SEOの施策にも活かせます。
例えば、広告をクリックしたユーザーが利用しているデバイスがスマートフォンの方が多い場合は、自社サイトのコラムもスマートフォンで見やすいようにレイアウトを工夫することで効果が高まる可能性があります。
また、広告文では価格よりもこだわりをアピールしている広告文の方がクリックされやすい傾向であれば、自社サイトでもこだわりを詳しく紹介するページを作る、などを検討しましょう。
このように、リスティング広告で得られるデータからSEOの改善箇所を見つけていくことで、相乗効果を得られやすくなります。
住宅会社のリスティング施策・SEOはFREEDOM X株式会社のマーケティング室へ
リスティング広告とSEOはそれぞれの特徴を理解して、目的に応じて適切に使い分けることで自社サイトへのアクセス数を効率的に伸ばすことができる手段です。
ただし、リスティング広告とSEOはいずれも適切な知識を持って運用を行わなければ、費用対効果が悪くなったり効果が上がらなかったりするため、初めて取り組む場合は専門知識があるマーケティング会社に相談することをご検討ください。
私たちFREEDOM X株式会社のマーケティング室は、年間棟数約400棟の設計事務所であるフリーダムアーキテクツから独立し、住宅・不動産業界専門のWebマーケティング支援を行っています。
自社サイトのアクセス数に課題をお持ちの場合は、貴社の状況に合わせた解決策を丁寧に提案させていただきます。リスティング広告やSEOに興味がある際には、ぜひ一度ご相談ください。
リスティングとSEOに関するよくある質問
リスティングSEOとは何ですか?
リスティングSEOとは、検索エンジンの結果ページ(SERP)に表示されるウェブサイトのリストを最適化することを指します。これは、特定のキーワードに対してウェブサイトがより高いランキングを得ることを目指しています。リスティングSEOの主な要素には、キーワードリサーチ、オンページSEO(メタタグ、ヘッダータグ、URL構造、コンテンツの最適化など)、オフページSEO(バックリンクの取得、ソーシャルシグナルの強化など)が含まれます。これら全てが適切に行われると、ウェブサイトの検索エンジンランキングが向上し、結果的にはより多くのトラフィックとコンバージョンを得ることができます。
リスティングとSEOの比較は?
リスティング広告とSEOは、どちらもウェブサイトへの訪問者数を増やすための手段ですが、その方法と効果には大きな違いがあります。
リスティング広告は、検索エンジンの広告スペースに自社の広告を掲載することで、ユーザーに自社のウェブサイトを訪れてもらう手法です。広告をクリックすると広告主に費用が発生するPPC(Pay Per Click)型の広告で、短期間での集客や売上向上を目指す場合に有効です。
一方、SEO(Search Engine Optimization)は、検索エンジンの自然検索結果にウェブサイトが上位表示されるように、ウェブサイトの構造やコンテンツを最適化する手法です。SEOは長期的な視点での集客やブランドの信頼性向上を目指す場合に有効です。
リスティング広告は費用がかかりますが、即時性があり、ターゲットを絞った広告展開が可能です。一方、SEOは時間と労力がかかりますが、一度上位表示されると長期間にわたって効果が続き、広告費用がかからないため、コストパフォーマンスが良いと言えます。
どちらの手法を選択するかは、企業の目的や予算、ターゲットの特性などによります。また、リスティング広告とSEOを組み合わせて活用することで、より効果的なウェブマーケティングを行うことが可能です。
SEMとSEOの違いは何ですか?
SEM(Search Engine Marketing)とSEO(Search Engine Optimization)は、どちらもウェブサイトの検索エンジンでの表示順位を上げるための手法ですが、その方法と目的に違いがあります。
SEMは、主に検索エンジンの広告プログラム(Google AdWordsなど)を利用して、ウェブサイトを検索結果の上位に表示させる手法です。SEMは広告費を支払うことで即座に結果を得ることができますが、広告費を止めるとその効果もなくなります。
一方、SEOはウェブサイトの内容や構造を最適化し、検索エンジンがウェブサイトの内容を理解しやすくすることで、自然な検索結果(オーガニックサーチ)の順位を上げる手法です。SEOは時間と労力をかけて行う必要がありますが、一度順位を上げると広告費を支払わなくてもその効果が続きます。
つまり、SEMは短期的な効果を求め、SEOは長期的な効果を求めるという違いがあります。
SEOとは何の略?
SEOは「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。これは、ウェブサイトが検索エンジンの検索結果ページでより高い位置に表示されるように、ウェブサイトの設計やコンテンツを調整する一連の手法を指します。