「SEO」や「検索エンジン最適化」という言葉は、Webサイトを運営している企業のWeb担当者であれば一度は耳にしたことがある言葉でしょう。
しかし、SEOという言葉は知っていても、その仕組みを理解できていない方もいるのではないでしょうか。
今回はSEOの基礎知識や仕組みについて詳しく解説するとともに、住宅会社でSEOに取り組んだ成功事例も紹介します。
SEOとは?サイト集客での必要性と施策の種類
SEOとはコンテンツマーケティングの中の手法の一つで、Googleなどの検索エンジンで検索した際に自社サイトが上位に表示されるようにサイトを最適化することです。
また、SEOの正式名称は「Search Engine Optimization」で、日本語では「検索エンジン最適化」とも呼ばれます。
近年Webマーケティングの中でもコンテンツマーケティングに重点を置く企業が増加し、それに伴いSEOに取り組む企業も年々増えています。
サイト集客でSEOが重要な理由
スマートフォンの普及により、ユーザーは何かを知りたい、調べたいと思ったときにすぐに上で検索できるようになりました。
そのため、商品を購入する前に口コミや商品詳細をWeb上で検索した際に、自社の商品を訴求するためには検索結果の上位に表示させることが重要なポイントとなっています。
さらに、2019年にGoogleが発表したCookieサポートの廃止によるWeb広告のターゲティング精度が低下することも影響し、広告に頼らない集客方法としてコンテンツマーケティングやSEOを重視する企業が増えています。
SEOの施策の種類
SEOは先述したとおり自社サイトの検索順位を上位に表示させるための取り組みを指す言葉ですが、具体的な施策は大きく分けて3つに分類されます。
施策名 | 施策内容 | 担当者 |
内部施策 | 流入キーワード確認 | Webディレクター |
キーワード最適化 | ||
HTMLタグの最適化 | マークアップエンジニア/ システムエンジニア | |
構造化マークアップの確認 | ||
UXの改善(ページスピードなど) | ||
外部施策 | Webページのリンク構築 | Webマーケ/広報担当 |
ソーシャルリンクの設計構築 | ||
コンテンツ制作 | 検索ニーズを元にしたコンテンツ企画 | Webディレクター/Webマーケ |
過去コンテンツの改善 | ||
サイトやページの信頼性向上 |
上記いずれの施策も検索エンジンに対して「自社サイトで掲載している内容を正しく理解してもらうため」、もしくは「自社サイトが信頼性の高いサイトだと評価されるため」のものです。
さらに、内部施策は自社サイト内の構造や設定内容を改善すること、外部施策は他のサイトから自社サイトへの紹介リンクを増やすための施策で、主に「自社サイトが信頼性の高いサイトだと評価されるため」に行うものです。
検索エンジンでサイト順位が決まる仕組み
SEOに取り組む前に、検索エンジンがどのようにしてWebページの表示順位を決めているか理解しましょう。
検索エンジンにはWeb上に存在するページの情報を常に収集するクローラーというシステムが存在し、毎日Web上にあるページの情報を収集します。収集されたページ情報は検索エンジンにより分析され、ページの内容とともにインデックスと呼ばれる巨大なデータベースに保存されます。ユーザーが検索キーワードを入力すると、検索エンジンはさまざまな要因に基づいてインデックスから最も関連性の高く有益な回答を見つけようとします。
そのため、Webページが検索結果の上位に表示されるには検索エンジンに「適切にページの内容が理解された」うえで「有益なサイトである」と評価してもらうことが必要です。自社サイトの評価が上がれば、ユーザーが自社のコンテンツに合った検索を行った際に検索結果の上位に表示され、多くの集客が見込めるようになります。
ただし、クローラーが評価するポイントについては具体的な基準の公表はされておらず、あくまでも「ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供すること」とされているため、SEOを通してユーザーが求めるコンテンツを理解し、サイトを改善していくことが大切です。
SEOのメリット
SEOはコンバージョンの増加のために自社サイトへのアクセスを増やすためのマーケティング手法です。
そのため、新規顧客への認知拡大やナーチャリングに効果を発揮すると言われています。具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。
購買ニーズの高い顧客を集客できる
SEOではユーザーがリアルタイムで求めている情報に対して検索結果でアプローチできるため、購入ニーズの高いユーザーを集客できるメリットがあります。
ユーザーは購入を検討している場合、複数の商品やサービスを比較検討するために検索することが想定されます。
このような場合に自社サイトへ集客できることで、ユーザーに自社のサービスの良さを知ってもらうきっかけになり、最終的にはコンバージョンの増加が期待できます。
SEOは広告と違い資産になる
SEOとWeb広告を比較する際に対象となるのが、検索ワードで広告を表示する「リスティング広告」です。
リスティング広告では広告クリックに対して課金されるため、集客数を増やすためにはその分広告出稿予算が必要になり、出稿をやめると集客はゼロになります。
一方でSEOで表示される場所は広告枠ではないため、クリックに対して料金はかからず、上位表示されている限り継続的な集客効果を期待できます。
そのため、SEOを強化し集客や成約貢献度の高いキーワードで検索結果の上位に表示させることができれば、広告予算を投下せず集客ができる資産となっていきます。
SEOのデメリット
SEOはメリットもある一方でデメリットも存在します。SEOに取り組む前にデメリットも把握しておくことは大切です。ここでは具体的なデメリットについて詳しく解説します。
成果が上がるまでに時間がかかる
SEOはリスティング広告などのWeb広告と違い、即効性のある施策ではありません。
特に初めてSEOやコンテンツマーケティングに取り組む場合は、自社サイトのドメインが弱いことからもサイトの評価を上げるまでには時間がかかります。
一般的なSEOの施策では、成果が出るまでには短くとも半年ほどの時間がかかると言われているため、長期的な目線を持って施策を継続させる必要があるでしょう。
コンテンツの質や運用方法によって成果に差が出やすい
SEOではユーザーのニーズに合わせたキーワードの選定や、信頼性の高いコンテンツの制作を行うことで成果が出やすいとされています。
それは裏を返すと、キーワード選定の方向性がズレていたり、コンテンツの質が悪かったりすると成果が現れにくいとも言えるでしょう。
そのため、SEOでは自社サービスにマッチするユーザーが検索するキーワードの把握や、質の高いコンテンツを作れなければ、どれだけ時間をかけても成果が上がらない可能性があるでしょう。
SEOで意識すべき基本ポイント
SEOでは内部施策・外部施策・コンテンツ制作の3つの要素に分かれて施策が分類されますが、いずれの施策にも共通して意識すべきポイントがあります。
それは顧客の視点に立って自社サイトを改善するという点です。この顧客視点について具体的にどのようなポイントで意識すればいいかを解説します。
顧客のニーズを満たすサイト構造やコンテンツを作成する
自社サイトに訪問しているユーザーの目的を理解することは大切です。このためには、自社サイトに検索流入しているユーザーがどんなキーワードで検索をしているか確認しましょう。流入キーワードを確認するには「Google Search Console」などの無料ツールを利用することで可能です。
例えば、訪問しているユーザーが「注文住宅 神奈川県 事例」などのキーワードで検索している場合、自社サイトにきたユーザーは「神奈川県の注文住宅の施工事例」を探していると想定できます。
もし自社サイトの事例ページが地域別で分類できるようになっていない場合は、「神奈川県」などの地域別でフィルタをかけられる事例ページに改善することで、顧客のニーズを満たしやすくなるでしょう。また、トップページから事例ページへの導線を改善することも成果につながる工夫の一つです。
このように、ユーザーが自社サイトに訪問している目的を理解し、それに合わせてサイトを改善することはSEOにおいて重要なポイントです。
顧客の行動を意識する
自社サイトへ訪問したユーザーには潜在顧客や顕在顧客など、色々なステータスのユーザーがいます。自社サイトにきたユーザー全員がすぐにコンバージョンに至ることは考えにくいことをまずは覚えておきましょう。
ユーザーがコンバージョンするまでには、オフラインとオンラインの情報収集を行いつつ、他社との比較検討を経て自社のサービスを選びます。これらの顧客の行動を理解し、購買意欲に合わせて適切なコンテンツを提供できるようSEOに取り組むことが大切です。
具体的には「注文住宅 神奈川県 おすすめ」ではまだ自社の認知がない潜在顧客が利用する可能性が高い一般的な検索キーワードのため、まずは事例や自社の強みを理解してもらえるコンテンツが必要です。一方で「A社 注文住宅 施工事例」など自社の企業名を入れて検索しているユーザーは、購買意欲が比較的高い指名検索のキーワードのため、相談会や展示会への誘導を行えるようなコンテンツが必要です。
このように、検索キーワードやサイト内の行動からユーザーの購買意欲を予測し、適切なコンテンツを提供できるよう意識しましょう。
SEOで最初にやるべき対策項目
ここでは、初めてSEOに取り組む場合に実施するべき対策項目を解説します。
SEOは検索エンジンに適切に良い評価をしてもらうことが目的ですが、現在の検索エンジンは精度が高く「ユーザーが満足する質の高いコンテンツ」だと判断できればすぐに成果が上がる可能性があります。
今までSEOを実施していない場合は、以下の4つの項目を意識して自社サイトを改善してみましょう。
1.ページスピードを改善する
Webページの表示スピードが遅い場合、コンテンツが表示されるまでに時間がかかり訪問したユーザーが離脱するリスクにつながります。
まずは自社ページのスピードが遅くないかを確認し、遅い場合はサイト制作エンジニアとスピード改善について対策を考えましょう。
ページスピードを確認するには、「Page Speed Insights」などのツールを利用すると便利です。また、ページスピードの改善は検索流入が多いページを優先的に行うと効率的です。
2.検索ニーズに対応したコンテンツを作る
自社サービスの業種や商品ジャンルの主要検索キーワードを分析し、ユーザーが検索しているカテゴリに対応するコンテンツを作ることも必要です。
例えば、ユーザーが検索するキーワードで「注文住宅 相場」が特に多い場合、自社サイト内にも相場を発信するコンテンツを作成しましょう。
そうすることで、注文住宅に興味のあるユーザーの集客を増加させることができ、結果としてコンバージョン増加にもつながります。
3.内部リンク設置を最適化する(導線改善を行う)
ユーザーの検索ニーズに対応した適切なコンテンツを作成しても、サイト内の導線が悪くコンテンツが見つけにくいと効果が半減します。
このような事態を避けるためには、内部リンクの設置が最適化されているか検証し導線改善を行うことも重要です。
導線改善で大切なポイントは、「ユーザーが求める情報が見つけやすい構造になっているか」を意識することです。
具体的な改善の際は、もっとも流入が多いページから自社が目指すコンバージョンページまでの導線の中で離脱率が高いページを見つけ、その前後の導線や内容の質に課題がないか検討するといいでしょう。
4.コンテンツ内容の信頼性を向上させる
Web上には多くのコンテンツが存在するため、検索エンジンはコンテンツ内容の信頼性の高さを評価基準のひとつとしています。
そのため、自社で作成したコンテンツの信頼性が高いことを証明することで、検索上位に上がりやすくなります。
具体的には、独自の調査結果など一次情報を元にコンテンツを作成する、コンテンツ内容に関連する専門家を監修につけてコンテンツを作成するなどが挙げられます。
特に医療や法律、お金などに関するコンテンツの場合は他のジャンルよりも信頼性が重視される傾向にあるため、意識することが大切です。
注文住宅のハウスメーカー・工務店のSEO成功事例
ライフデザイン・カバヤ株式会社様では、当初Webマーケティングの重要性は理解しているものの、人員不足や知見不足が理由で本格的なWebマーケティングの運用ができずにいました。
そこでまずは住宅会社に特化したWebマーケティング会社であるFREEDOM X株式会社のマーケティング室と連携し、オウンドメディアである「住まいづくりコラム」の内容改善を実施しました。SEOを意識したコンテンツを作成することで、検索経由でのオウンドメディアへの新規顧客流入を狙いました。
その結果SEOに取り組んだ記事の検索順位が大幅に向上し、オウンドメディアへの検索流入経由の自社サービスサイトへのユーザー訪問が劇的に増加しました。
これに加えてイベントページや展示場予約受付ページなどの申し込みフォームの導線を改善したことで、2020年度のWeb予約数が前年比約260%の増加を実現しています。
この事例について詳しくはこちら
▶コロナ禍の住宅業界においてWeb予約数260%増加!大躍進を遂げたハウスメーカー様成功事例
SEOを万全に行い、コンテンツの品質を向上しましょう
SEOは自社サイトの価値を高め、広告や外部サイトを頼らずに自力で集客ができるサイトを作る重要なマーケティング施策です。
まずは自社サービスのターゲットがどのような検索ニーズを持っているかを把握し、それに対応したサイト改善から始めていきましょう。
私たちFREEDOM X株式会社のマーケティング室は、年間棟数約400棟の設計事務所であるフリーダムアーキテクツのマーケティング部から独立した、住宅・不動産業界専門のWebマーケティング支援会社です。
SEO分析やサイト改善をはじめとして、貴社の状況に合わせた解決策を丁寧に提案させていただきます。お悩みの課題がある場合は、ぜひ一度ご相談ください。