コンテンツマーケティングは住宅購入を検討している潜在顧客に対して自社を認知してもらうために欠かせない手法のひとつです。
ユーザーに自社のブランドやこだわりを適切に伝えられるオウンドメディアとはどのようなものなのでしょうか。
ここでは住宅会社のオウンドメディア事例を紹介しつつ、コンテンツマーケティングに取り組むメリットやコツについて詳しく解説します。
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングは、ユーザーの課題を解決するコンテンツを通して価値を提供するマーケティング手法です。
主な目的はコンテンツを通して継続的に顧客とコミュニケーションを取ることで、潜在顧客を見込み顧客に育成し最終的には自社の商品やサービスを購入させることです。
また、コンテンツマーケティングは購買意欲が高い顕在顧客ではなく、購買ニーズが明確ではない潜在顧客が主なターゲットである点も特徴のひとつです。
コンテンツマーケティングについては以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
▶コンテンツマーケティングとは?基礎知識・運用ポイントや住宅会社の成功事例を紹介
オウンドメディアとは
コンテンツマーケティングと共に覚えておきたい用語として「オウンドメディア」があります。
オウンドメディアとは自社が所有するメディアを指した言葉で、広義ではパンフレットや自社サイト、ブログなど全てを指します。一方で近年では、Webマーケティングの用語として、企業が運営するブログ形式のメディアのみを指す狭義の意味で使われることが増えてきています。
コンテンツマーケティングでは、ユーザーに良質なコンテンツを届けるためのツールが必要です。そのツールのひとつとして活用されるのがオウンドメディアです。
なお、オウンドメディアについては以下の記事で詳しく解説しています。
▶オウンドメディアとは?住宅会社マーケター必見|メリットと成功事例をわかりやすく紹介
住宅会社がコンテンツマーケティングに取り組むメリット
コンテンツマーケティングは検討期間が長いものや高単価な商材に特に相性が良いとされています。
なぜなら、顧客が購入までに時間をかけて情報収集を行う際にWebサイト上にある情報や資料請求などを行うためです。
例えば、住宅の購入を検討している顧客層が住宅会社を選定する際に自社コンテンツに触れ合う機会が多ければ多いほど、自社に相談に来る確率は高まります。
この際に必要となるのが「コンテンツマーケティング」の考え方です。具体的なメリットについて以下で詳しく見ていきましょう。
情報を収集している段階の見込み顧客にアプローチできる
顧客が抱えている課題を解消するために用意したコンテンツは、能動的に情報を収集している検討意欲が高い見込み顧客に届きやすい情報です。
例えば、自社で住宅購入におけるノウハウを発信するコラムを運用していた場合、住宅購入に関する知識をネットで収集している顧客が自然検索で自社のコラムを発見し、相談会への参加を検討する可能性があります。
このように、「今、知りたい」という顧客のニーズに待ち伏せする形でアプローチができるのは、コンテンツマーケティングのメリットです。
顧客のロイヤリティが高まる
ロイヤリティとは「愛着」という意味です。コンテンツマーケティングを通して、顧客に適切な情報を伝えることができれば「住宅に詳しい会社」であったり、「親切で丁寧な会社」という印象を与えられる可能性があります。
またさらに掘り下げると、コンテンツマーケティングは「自社のこだわり」や「熱意」を伝えることもできるため、企業のブランディングにも活用できます。
顧客が自社に対して良い印象を持つことで、住宅会社を選定するタイミングで競合他社の比較なしに自社を選んでもらえる可能性が高まります。
広告よりも費用対効果が高い成果が見込める
特にオウンドメディアは「ストック型」と呼ばれるメディアの特性があります。
発信したコンテンツが新しい情報に流されることなく、長い期間有益な情報として価値を発揮する特性を表しています。情報が貯められている(ストックしてある)メディアため、ユーザーが必要とするタイミングを待ち構えることができ、長期的な集客を見込めます。
結果として、Web広告など常に予算を投下しなければ効果を得られない施策と比べ、継続的な集客効果を得られるコンテンツの方が費用対効果が高くなる可能性があります。
対比されるのはSNSですが、FacebookやTwitterのような「フロー型」メディアでは、古い情報は新しい情報に埋もれてしまい、長期的に参考になるコンテンツをSNS上に発信しても、それを求める顧客に届く確率が時間の経過とともに下がってしまいます。
住宅会社・工務店のコンテンツマーケティング成功事例5選
住宅会社がコンテンツマーケティングに取り組む上で注力すべきはオウンドメディアです。
ここでは、オウンドメディアのいくつかの事例をもとに、住宅会社のコンテンツマーケティングの成功事例について詳しく見ていきましょう。
FREEDOM様
FREEDOMは年間棟数約400棟の住宅設計に携わる設計事務所で、FREEDOM X株式会社のマーケティング室がお手伝いしている企業のひとつです。
住宅業界の中では比較的早いタイミングからWebマーケティングに注力し、ポータルサイトからの集客だけではなく、自社サイトからの顧客獲得に成功しています。
FREEDOMでは、価格帯やエリア別に事例を検索できるだけではなく、建築事例ごとにタグを設定し「3階建て」や「ビルドインガレージ」などの住宅の特徴でも事例を検索できるよう工夫しています。
さらに、オウンドメディアでは住宅に関わるテーマでこれから住宅を購入しようと考えている顧客へ定期的に情報を発信しています。
ライフデザイン・カバヤ様
ライフデザイン・カバヤは岡山県を拠点に全国展開、戸建て住宅の販売を中心としているハウスメーカーで、こちらもFREEDOM X株式会社のマーケティング室がお手伝いしている企業です。
サイトのファーストビューでは「人生を、デザインする。」と全面に打ち出すことで、自社のコンセプトを顧客に理解されやすいようなデザインを意識しています。
コラムでは「暮らしの提案」や「おかねの話」、「エリア情報」などのテーマに分類して住宅購入に関わる内容を網羅的に発信しています。
さらに、どのページに遷移しても上部にあるグローバルナビゲーションで「展示場一覧」や「施工事例」など良く見られるページにすぐにアクセスできるユーザビリティの良さも特徴です。
ビルドアート様
神奈川県地場の工務店であるビルドアートもFREEDOM X株式会社のマーケティング室がご支援させて頂いている企業です。
ビルドアートのサイトは、ファーストビューのメイン画像から事例ページへ遷移できる設計にしています。本サイトでは事例紹介に特に力を入れている点が特徴のひとつです。
また、事例ページではイラストを利用して間取りや生活動線、顧客視点でのこだわりをわかりやすく解説しているものを多数公開しており、実際に暮らす際のイメージがつきやすい工夫をしています。
また、画面右下に資料請求用のリンクボタンが常に表示されていることで、顧客がより詳しく情報収集できるよう工夫がされています。
ジョンソンホームズ様
札幌に本社を構えるジョンソンホームズが運営するオウンドメディア「Naturie」では、「ナチュラル&スローな家」と言うコンセプトを全面に表現するサイト設計にしています。
無垢材や薪ストーブなど、写真をうまく活用してNaturieが目指す家づくりへのこだわりをページ全体で表現している点が特徴です。
また、施工事例はフォトギャラリーとお客様インタビューそれぞれに分けて掲載されており、建てたい家のイメージ作りに役立つ工夫がされています。
コラムも継続して掲載していくことで、顧客の悩みに応えるコンテンツを発信している点も特徴です。
日本ハウスホールディングス様
日本ハウスホールディングスは特に住まいのコラムに力を入れており、住宅購入に関するテーマでは検索結果の上位に表示されることが多いサイトです。
また、コラムだけではなくサイト内で「暮らしの提案」と言うカテゴリを作成し、二世帯住宅やセカンドライフ、自給自足の家などシーン別に間取り例を紹介している点も特徴です。
前段で紹介したサイトに比べると自社のこだわりを控えめにする代わりに、顧客が暮らしのイメージを検討しやすいよう様々な視点から間取りや施工事例を紹介しています。
住宅会社で成果の出るオウンドメディアを運用する方法
住宅会社がオウンドメディアを運用する場合、運用の目的は大きく「潜在顧客層の囲い込み」と「新規顧客の獲得」が挙げられます。
要するに、いつか持ち家が欲しいとは思っているものの、まだ具体的な行動はしていない顧客層(潜在層)をコラムや事例を通して自社のファンにさせる目的と、それらの顧客が実際に住宅会社を選定する際に相談会や展示会の案内を適切に行うことで、新規顧客として獲得する目的です。
これらの目的を効率的に達成するために、以下の点に注意して運用していきましょう。
ターゲットを明確にする
まずはオウンドメディアのコンテンツを届けたいターゲットを明確にすることが最も重要です。ターゲットの設定は自社が扱う住宅のコンセプトや施工可能なエリアなどから大まかに設定することができます。
例えば、過去の成約者の属性が「30代夫婦、世帯年収1,000万円以上、子供なし」の場合、コンテンツとして押し出すべきは過去の成約者の属性+注文住宅や分譲住宅などを初めて購入する方に向けたコンテンツを充実させるといいでしょう。
このように、ターゲットを明確にすることでどのようなコンテンツを発信すればいいのか方向性が定まりやすくなります。
さらに、ターゲットは属性だけではなく、好みや悩みなども想像してターゲット設定を行うことで、より精度の高いコンテンツ作成が可能になります。
運用の目的に応じた適切な導線設計をする
導線設計とは、自社サイトに求める目的(サイト滞在時間やコンバージョン)を達成するために、ユーザーにたどってほしい理想の経路のことです。
あらかじめ設定した導線をサイトに来訪したユーザーがスムーズに辿れるようサイト設計を行うことで、目指す目的が達成されやすくなります。
なお、導線は定期的にユーザーの動きを分析し改善していくことで精度が高まります。
導線設計については以下の記事でも詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
▶導線改善とは?ハウスメーカー・工務店必見|自社サイトのコンバージョンを上げるコツ
ターゲットが求める情報を発信する
オウンドメディアで最も重要なのは、ターゲットが何を求めているかを把握し課題を解決できるコンテンツを正しく発信することです。
これは、コラムだけではなく、自社のサービスやこだわりを紹介するページでも同様のことが言えます。自社のサイトに訪れるユーザーが何を求めてきているのかをきちんと把握し、適切なページに案内することで顧客満足度が高まり新規顧客の獲得につながります。
ユーザーが何を求めているのかを知るためには、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールでユーザーのサイト内行動を読み解いたり、SEO分析を行うとよいでしょう。
詳しくは以下の記事でそれぞれ解説しています。
▶アクセス解析でわかることは?ハウスメーカー・工務店サイトでの活用方法を紹介
▶Web集客にはSEOが重要!基礎知識からハウスメーカー・工務店の成功事例も紹介
工務店・ハウスメーカーのコンテンツマーケティングはFREEDOM X株式会社のマーケティング室にご相談ください
冒頭でお伝えした通り、工務店・ハウスメーカーはコンテンツマーケティングとの相性が良いとされています。
自社でこれからコンテンツマーケティングに取り組む場合や、より注力する場合には上記の事例を参考にしつつ、自社の強みを最大限伝えられるよう工夫しましょう。
私たちFREEDOM X株式会社のマーケティング室は、年間棟数約400棟の設計事務所であるフリーダムアーキテクツから独立し、住宅・不動産業界専門のWebマーケティング支援を行っています。
コンテンツマーケティングについて具体的な提案が必要な場合は、ぜひFREEDOM X株式会社のマーケティング室にご相談ください。オウンドメディアの運用や改善案をアクセス解析や競合分析を踏まえて丁寧に提案いたします。