近年、Instagramをブランド認知やファン獲得に活用する企業が増えています。
また、アカウントを運用するだけではなく、広告媒体としてInstagramを活用する方法も主流になってきていますが、果たして広告の効果が費用に見合っているのか不安に思うマーケティング担当者も多いのではないでしょうか?
今回はInstagram広告を実施した後に、費用対効果をしっかりと検証するための考え方やレポートの参照方法をKPI別に詳しく解説します。
インスタグラム広告とは
Instagram広告とは、Instagramに画像や動画を使った広告を配信できるサービスです。
Instagram広告はユーザーの投稿と同じ表示フォーマットで広告が表示されるため、自然な流れで自社の広告をユーザーに閲覧してもらえる点が特徴です。
Instagramの月間アクティブユーザーは2019年6月時点で3,300万人を突破しており、幅広い世代が利用しているSNSとして有名です。TwitterやFacebookよりも写真や動画に特化したSNSであることから、企業のサービスや商品を視覚的にアピールしやすい点が特徴です。
そのため、現在では企業のマーケティング施策としてアカウント運用だけではなく、広告も広く活用されています。
注文住宅のKPI別インスタグラム広告の費用対効果の考え方
Instagram広告を配信しても費用対効果をしっかりと検証できていない場合、施策として成功したかどうかの判断が難しくなってしまいます。
費用対効果を検証するには、KPIに応じてレポート項目のどこを参照し、どのように計算すればよいのかを把握する必要があります。
ここでは、Instagram広告における費用対効果を検証する方法をKPIごとに詳しく解説します。
リーチ数がKPIの場合
リーチ数とは、「配信した広告が何人のユーザーに表示されたか=リーチしたか」という意味です。発信したサービスや商品の認知拡大が目的の場合に用いられるKPIです。
リーチ数の費用対効果を検証する場合は、広告マネージャの「リーチ」もしくはInstagramアカウント上にある「宣伝のインサイト」から「発見」という数値で確認が可能です。
発見に表示されている数字はInstagram広告でリーチしたユーザーの人数を指します。この数値と利用した広告費を用いて、リーチ単価を算出することで費用対効果を検証することができます。計算式は以下の通りです。
広告費用÷リーチ数(発見数)=リーチ単価
なお、Instagram広告のリーチ単価は0.5〜1円が相場とされています。自社の広告効果を検証する際にはリーチ単価が高くなりすぎていないかもひとつの判断軸にするとよいでしょう。
エンゲージメント数がKPIの場合
エンゲージメント数とは、広告で利用した投稿についた「いいね」「保存」「コメント」などのユーザー行動を合計した数字です。エンゲージメント数は広告に関心を持ったユーザーの数を判断する指標です。主に、リーチ数やインプレッション数、フォロワー数などを母数としてエンゲージメント率を算出し、割合が高ければ高いほど効果的な広告だと評価されます。
エンゲージメント数を構成する要素は企業によって定義が異なりますが、一般的には「いいね」「保存」「コメント」の3要素を合計します。他には、「フォロワーの増加数」や「プロフィール閲覧数」も指標として合算する場合があります。どの要素をエンゲージメントと定義するかは自社内であらかじめ明確にしましょう。これらの数値はInstagramアカウントの「宣伝のインサイト」もしくは広告マネージャのどちらでも確認できます。
エンゲージメント率は、以下の計算式で算出されています。母数についても企業によりどの数値を用いるかは定義が異なります。今回はリーチ数を母数とした場合で計算式を紹介します。
エンゲージメント数÷リーチ数×100=エンゲージメント率
なお、Instagram全体のエンゲージメント率の平均は1.22%のため、効果検証する際の参考にするとよいでしょう。
フォロワー数がKPIの場合
Instagram広告で自社アカウントのフォロワーを増やすことが目的の場合、かけた広告費に対してフォロワーが何人増えたかで費用対効果を検証します。
これは、Instagram広告のレポートである「宣伝のインサイト」の数値をそのまま見てもわかりません。あらかじめ広告配信前のフォロワー数をメモしておき、広告配信後のフォロワー数から配信前にフォローしてくれていた人数を差し引いて、広告で増加したフォロワー数を算出しましょう。
また、フォロワー1人の獲得につきいくらの広告費がかかったのかは以下の計算式で算出できます。なお、この費用をフォロワー獲得単価と言います。
広告費用÷フォロワー増加数=フォロワー獲得単価
フォロワー獲得単価の相場は、2〜6円とされています。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)数がKPIの場合
UGC(User Generated Content|ユーザー生成コンテンツ)とは、ユーザーの投稿を集める目的でInstagram広告を行った際に用いられるKPIです。
代表的な例としては、プレゼントキャンペーンなどをInstagramで実施し、「#〇〇」をつけてユーザー自身のアカウントから投稿してもらうことを応募条件にすることで、ユーザーが自社のキャンペーンを拡散してくれるよう仕向けるものです。
この場合、ユーザー投稿が何件集まったかが成果指標となります。UGCの成果は応募条件として指定した「ハッシュタグ(#)」を検索し、投稿数を確認することで検証できます。
UGCをKPIにする場合は、基本的には応募キャンペーンなどを実施する場合が一般的ですので、費用対効果としては目標としている応募数を達成しているかどうかが判断軸になるでしょう。
クリック数がKPIの場合
クリック数がKPIの場合は、広告マネージャのクリック数で確認できます。
クリック数はKPIとして用いられる最も一般的な指標のひとつのため、広告マネージャ上で確認すればクリック単価などもすぐに確認できます。
Instagram広告のクリック単価の相場は50〜100円です。
インスタグラム広告の種類と配信設定のやり方
Instagram広告はさまざまな種類や配信設定があります。自社のサービスや訴求内容、ターゲットに合わせた適切な配信方法を選ぶことで、費用対効果は大きく差が出ます。
ここでは、Instagram広告の基礎知識である、広告の種類と配信設定について紹介します。
なお、Instagram広告の種類や配信設定のやり方については、以下の記事でより詳しく解説しています。
▶Instagram広告の基本と出し方を徹底解説!住宅会社が利用する際のコツも紹介
インスタグラム広告の種類
配信面の種類
配信面はフィード、ストーリーズ、発見タブの3つに分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです。
配信面 | 特徴 |
フィード | ユーザーがアプリを開いた際に最初に表示されるライムライン画面。自身がフォローしているユーザーの投稿が表示される。 フィード上のInstagram広告は、ユーザー投稿と同じフォーマットでユーザー投稿の間に表示されるため、自然な流れで広告を閲覧させられる点が特徴。 |
ストーリーズ | 静止画もしくは動画が全画面で表示される配信面。一般ユーザーが投稿した内容は24時間のみ表示され、その後はアーカイブが残らない点が特徴。Instagram広告のストーリーズは全画面で広告が表示されるためインパクトが大きくブランディング訴求に効果がある。 |
発見タブ | まだフォローしていないユーザーの投稿が表示されてる画面。ハッシュタグやキーワードを用いて自分に興味のあるジャンルの投稿を検索することもできる。発見タブで表示される広告は、ユーザーが探しているキーワードや興味に近い広告が配信されるため、新規顧客獲得に効果がある。 |
表にある通り、ストーリーズはブランディング訴求に効果があり、特に他の広告種類よりも音声付きの動画との相性が良い点も特徴です。
このように、それぞれの広告種類の特徴を理解した上で、自社が配信したい広告クリエイティブやメッセージとの相性が良い配信面を選ぶようにしましょう。
クリエイティブフォーマットの種類
インスタグラム広告の基本的なフォーマットは「静止画」と「動画」の2種類があり、この2つの基本フォーマットを応用する形で様々な機能を利用できます。
<基本フォーマット>
・静止画(写真):静止画のクリエイティブはInstagram広告の中で最もシンプルな広告フォーマット。
・動画:動画広告は最大120秒で音を乗せて配信できる広告フォーマット。
<応用機能>
・カルーセル
複数の静止画や動画を1度の投稿で表示させるもの。表示された広告のクリエイティブ部分を横にスワイプすることで複数のクリエイティブが見られる仕組み。
・コレクション広告
カタログ形式で商品を紹介できる広告フォーマット。メイン画像(動画)の下に商品画像が表示され、商品画像をタップすると商品名や金額の一覧が表示される仕組み。
・ショッピング広告
ショッピング広告はフィードでのみ利用できるオプション機能。広告で配信したクリエイティブにある商品にショッピングタグを付け、タップするとECサイトへ遷移される仕組み。
・アンケート広告
ストーリーズでのみ利用できるオプション機能。広告クリエイティブの中でユーザーにアンケートを表示し、あらかじめ用意した選択肢のどちらかをユーザーにタップしてもらえる仕組み。
・ブランドコンテンツ広告
Instagramでフォロワー数の多いインフルエンサーの投稿を企業の広告として利用できる機能。
インスタグラム広告の配信設定
Instagram広告の配信するためには、まずInstagramのアカウントとFacebookアカウントが必要です。その上で、以下の手順に沿って配信設定を行いましょう。
1.InstagramアカウントとFacebookアカウントを連携する
2.Facebook広告マネージャーアカウントを作成する
3.キャンペーンを作成する
4.広告セットを作成する
5.クリエイティブを設定する
6.支払い方法を設定する
なお、上記の手順に関する詳細は以下の記事で具体的に紹介しています。
▶Instagram広告の基本と出し方を徹底解説!住宅会社が利用する際のコツも紹介
注文住宅の工務店・ハウスメーカーのインスタグラム広告運用で抑えておくべきポイント
Instagramは工務店やハウスメーカーの顧客獲得にも効果的なツールのひとつです。
Instagramアカウントを運用するだけではなく、広告配信を行う場合はいくつかのコツを抑えると効果が高まります。詳しく見ていきましょう。
施工写真にこだわる
Instagramは写真や動画を全面に表示させられるSNSのため、ユーザーの心を掴むためには魅力的な写真を用いることが重要です。
特に住宅会社の場合は、自社の施工事例を写真付きで訴求できるため相性が良いSNSですが、その写真が魅力的ではないと効果は半減してしまいます。
せっかく広告費を使ってマーケティング施策を行うのであれば、特に広告で使用する写真はこだわりの一枚を用意するようにしましょう。
投稿文やランディングページに目を通さずとも自社の伝えたいメッセージが一目でわかるよう、広告クリエイティブにメインメッセージを記載するとさらに効果的です。
ターゲットを絞る
Instagram広告は精度の高いターゲティング設定が行える点も特徴のひとつです。例えば、30代女性をターゲットとしている場合でも、住んでいる地域や職業、興味関心ジャンルなどまで具体的にターゲティングできます。
これらの機能をうまく活用し、自社の顧客になる可能性の高いターゲットに絞って配信することで、広告費を無駄遣いせず効率的に顧客へアプローチできます。
ただし、あまりにターゲットを絞りすぎると配信単価や獲得単価が高くなってしまう可能性があるため、自社で目指している獲得単価とのバランスを見ながら適切なターゲティング設定を行うように心がけましょう。
最初はコツを掴むのが難しい場合もありますので、広告代理店や同業種の広告運用実績があるマーケティング会社に運用を委託するのも選択肢のひとつです。
住宅を購入することで得られるベネフィットを提示する
Instagramは友人や有名人の生活を閲覧する目的で利用しているユーザーがほとんどです。
そのため、Instagram広告でも夢のある生活や憧れの生活をイメージさせられるような内容の方が好まれやすい傾向にあります。
例えば、戸建てを購入したら週末は中庭でバーベキューができる、広いキッチンで思う存分料理ができるなど、購入後の生活がリアルにイメージできる画像を設定するのも効果的でしょう。
住宅会社のインスタグラム広告運用はFREEDOM X株式会社のマーケティング室がおすすめ
Instagram広告は画像や動画で自社の魅力を訴求できることから、住宅会社のマーケティング施策との相性が良いSNSのひとつです。
広告を配信した後の効果検証は、設定したKPIに合わせてそれぞれの費用対効果をきちんと計算し、かけた予算と効果のバランスが見合っているかを確認することが大切です。その上で、より効率的な効果を得るために仮説と検証を繰り返し、広告効果を最大化していきましょう。
初めて実施する場合は、同業種の運用実績があるマーケティング会社などに運用を委託しノウハウを貯めることもひとつの選択肢です。
私たちFREEDOM X株式会社のマーケティング室は、年間棟数約400棟の設計事務所であるフリーダムアーキテクツから独立し、住宅・不動産業界専門のWebマーケティング支援を行っています。
Instagram広告の費用対効果を改善したい、効果検証をもっと正確に行いたいなどの課題に合わせて丁寧に企画・提案いたします。ハウスメーカー・工務店のマーケティング施策として、Instagram広告を活用する場合はぜひFREEDOM X株式会社のマーケティング室へご相談ください。
Instagram広告の効果に関するよくある質問
インスタ広告を500円で出すとどのくらい効果がありますか?
インスタグラム広告の効果は、広告の内容、ターゲット設定、広告の表示時間など様々な要素により変動します。500円の広告予算では、一般的には数十から数百のインプレッション(広告が表示される回数)を得ることができるでしょう。
しかし、これが具体的にどの程度の効果(例えば、フォロワーの増加や商品の購入など)につながるかは、上記の要素や広告のクリエイティブ性などに大きく依存します。また、広告の効果を最大化するためには、広告の運用や分析のスキルも重要となります。
インスタ広告のメリットは?
インスタグラム広告のメリットは以下の通りです。
1. 高いエンゲージメント:インスタグラムはユーザーのエンゲージメントが高いことで知られています。視覚的なコンテンツが中心であるため、ユーザーは投稿に対してコメントやいいねをしやすい傾向にあります。
2. ターゲティング機能:Facebookと連携しているため、詳細なユーザー情報を元にしたターゲティングが可能です。年齢、性別、趣味、興味、地域など、広告を表示するユーザーを細かく設定できます。
3. ストーリーズ広告:一日24時間限定のストーリーズは、ユーザーのリアルタイムな生活に対して広告を配信することができます。また、フルスクリーン表示なので、ユーザーの注意を引きやすいです。
4. ショッピング機能:商品を直接インスタグラムから購入できるショッピング機能があります。これにより、ユーザーは広告を見てすぐに商品を購入することができ、購買までのプロセスをスムーズにすることができます。
5. ブランディング:美しいビジュアルコンテンツを通じてブランドイメージを高めることができます。また、インフルエンサーとのコラボレーションも可能で、その影響力を利用してブランドの認知度を上げることもできます。
インスタ広告の効果を出すには?
インスタグラム広告の効果を最大化するためには以下のポイントを押さえてください。
1. ターゲット設定:広告を見せる対象者を明確に設定しましょう。年齢、性別、趣味、興味、地域など具体的なターゲットを設定することで、広告の効果を高めることができます。
2. 魅力的なビジュアル:インスタグラムはビジュアル重視のSNSです。鮮やかな色彩、ユニークな構図、魅力的な商品画像など、目を引くビジュアルを用意しましょう。
3. クリアなメッセージ:広告の目的や商品の特徴を一目で理解できるようなシンプルで明瞭なメッセージを伝えましょう。
4. CTAの活用:ユーザーに何をしてほしいのかを明確に伝えるCTA(Call To Action)を活用しましょう。例えば、「詳細はこちら」、「今すぐ購入」などのアクションを促す文言を入れると効果的です。
5. 広告の最適化:広告のパフォーマンスを定期的にチェックし、必要に応じて広告内容を調整しましょう。広告の反応が良い時間帯や曜日、反応の良いビジュアルやメッセージなどを見つけ出し、それに基づいて広告を最適化していくことが大切です。
これらのポイントを押さえつつ、自社の商品やサービスに合った戦略を立てて広告運用を行うことで、インスタグラム広告の効果を最大化することができます。
インスタストーリー広告を使うメリットは?
インスタグラムストーリー広告の利用には以下のようなメリットがあります。
1. 高いエンゲージメント:インスタグラムのユーザーはストーリー機能を頻繁に利用しており、広告は自然な形でユーザーのフィードに組み込まれます。これにより、ユーザーとのエンゲージメントが高まります。
2. フルスクリーンフォーマット:ストーリー広告はスマートフォンの全画面を使用するため、ユーザーの注意を引きやすく、メッセージを強く伝えることができます。
3. ターゲティング機能:インスタグラムはFacebookの一部であるため、詳細なユーザーデータを利用して広告のターゲティングが可能です。これにより、特定のユーザーグループに対して効果的に広告を配信することができます。
4. 直接的なコールトゥアクション:ストーリー広告には「詳細を見る」や「今すぐ購入」などの直接的なコールトゥアクションを設定することができます。これにより、ユーザーを直接商品ページやウェブサイトに誘導することができます。
5. 測定可能:広告のパフォーマンスをリアルタイムで追跡し、広告の効果を測定することができます。これにより、広告戦略の最適化に役立てることができます。