コンテンツマーケティングに取り組んでいる中で、自社サイトへの集客効果が低い場合、SEOのキーワード選定が適切ではない可能性があります。
キーワード選定が適切でないと、自社サイト上に質の高いコンテンツを公開していていたとしても思うような成果にはつながりません。
今回は、SEOで重要な役割を担っている「キーワード選定」について、基本的な考え方や作業手順を詳しく解説します。
SEOのキーワード選定とは
SEOのキーワード選定について作業手順を覚える前に、まずはSEOやそのキーワード選定がどのようなものかを理解することは大切です。ここでは、SEOの基本的な考え方やキーワード選定の必要性について解説します。
SEOとは
SEOとはWeb集客の手法の一つで、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでユーザーが検索した際に、自社サイトのコンテンツが上位に表示されるようサイトを最適化することです。
コンテンツマーケティングはスマートフォンの普及により注力する企業が増加しており、SEOもそれに伴い注目を集めている手法です。
SEOを実施することで、自社サイトやサイト内にあるコンテンツが検索上位に表示されるようになります。結果としてWeb広告などに頼らず自然検索により集客効果が出ることから、長期的にみて費用対効果が高いマーケティング手法である点も特徴です。
SEOの基本については以下の記事でさらに掘り下げて解説しています。
▶Web集客にはSEOが重要!基礎知識からハウスメーカー・工務店の成功事例も紹介
SEOのキーワード選定とは
SEOにおけるキーワード選定とはSEO施策を行う際に軸となるキーワードを選ぶ作業です。SEO施策の中でキーワード選定は最も重要な工程と言えるでしょう。
キーワード選定は自社の商品やサービスに興味のある顧客がどのようなキーワードで検索するかを予測しながら選びます。
適切なキーワードを選定できれば、ニーズが高いターゲット層にコンテンツを届けることができる可能性が高まります。
なお、キーワードの選定に失敗すると、検索結果の上位に表示されてもターゲットとは異なるユーザーにコンテンツが配信されることで思い通りの成果が得られない原因になります。
SEOのキーワード選定に必要な準備
キーワード選定の作業に入る前に、SEO施策を実施するサイトの目的やターゲットを整理する必要があります。
これらの事前準備を行うことで、キーワード選定をしている中での方向性がブレにくくなり、一貫性を持ったSEO施策を実施できるでしょう。
今回はキーワード選定を行う前に必要な事前準備について詳しく解説します。
サイトのテーマと目的を明確にする
まずは自社サイトのテーマと目的を明確にすることから始めましょう。
例えば、住宅会社であれば建売住宅の販売か注文住宅をメインにしているかでテーマが変わります。注文住宅に注力してサイト運営をしている場合、そのサイトのテーマは「注文住宅」がメインテーマとなるでしょう。
また、自社サイトを運営する上での目的によってSEOで選定するキーワードも変わるため、目的についても整理が必要です。サイトの目的で代表的なものとしては「認知拡大」「リードの獲得」「商品やサービスの購入」「既存顧客との関係性構築」などがあります。
もし自社サイトがどのような目的で運営しているか不明確な場合は、この機会に方向性を整理してみることも大切でしょう。
ターゲットを設定する
サイトのテーマを明確にしたら、誰をターゲットにコンテンツを届けたいかを明確にしましょう。
ターゲットは自社サイトで訴求したい商品やサービスのターゲットと同じになります。例えば、注文住宅がテーマのサイトであれば注文住宅を購入する顧客層がターゲットとなりますので、「30代男性、既婚、世帯年収1000万円以上」などがターゲットの例となります。
よりコンテンツの方向性や質を高めたい場合は、ここからさらに「ペルソナ設定」も行うといいでしょう。
ペルソナとはターゲット層をさらに具体的な人物像にまで落とし込む作業です。ターゲットとなる人物(ペルソナ)がどのような生活をしており、どのようなニーズや悩みがあるかを仮定することでコンテンツの方向性がより具体的になり、狙うターゲットにコンテンツが届きやすくなります。
ユーザーが検索で利用するキーワードをイメージする
サイトのテーマとターゲットが整理できたら、自社の商品やサービスに興味を持つユーザーがどのような悩みを持っているかをイメージしましょう。
また、想定される悩みや課題をもとにユーザーがどのようなキーワードで情報を検索するかを考えます。
この段階は実際にキーワード選定をする際の有力なヒントとなりますので、検索ボリュームやカテゴリの分類などは考えず想定されるキーワードを洗い出してみましょう。 ここまでがキーワード選定を行う上で必要となる準備です。
SEOのキーワード選定の手順
ここからはキーワード選定を実際に行う上での手順を解説します。
メインキーワードを決める
まずはコンテンツの軸となるメインキーワードを決めましょう。メインキーワードを決める際には事前準備で用意したユーザーが検索するであろうキーワードの中から、最もカテゴリ分類が大きいものを選びましょう。
例えば、自社サイトに集客したいターゲット(ペルソナ)が「注文住宅を検討している新規顧客」の場合のメインキーワードは「注文住宅」や「住宅会社」などが当てはまるでしょう。
さらにメインキーワードを決める際にはできるだけ検索ボリュームが大きいシンプルな単語を選ぶことをおすすめします。
検索ボリュームが大きいキーワードを軸とすることで、自社サービスに関連性の高いニーズや課題を網羅的にカバーできるためです。
メインキーワードを軸にキーワードを膨らませる
メインキーワードを決めたら、それを軸として関連するキーワードを膨らませましょう。ここではできる限り多くのキーワードを洗い出していきましょう。
キーワードを膨らませる際に参考にしたいのは以下です。
サジェストキーワード | 検索窓にキーワードを入れたときに自動表示される検索候補 |
関連キーワード | メインキーワードに対してほかユーザーがよく検索するキーワード。Google検索の場合は検索結果の下部に「他のキーワード」として表示される |
自社サイトの流入キーワード | 自社サイトに自然検索で訪問したユーザーが流入したキーワード。サーチコンソールなどで調査できる |
上記の他にも、SNSやクチコミサイトなどの掲示板で話題になっているニーズや悩みをもとにキーワードを膨らませることもできます。
洗い出したキーワードをニーズや特徴ごとにグルーピングする
軸となるキーワードから関連するキーワードを洗い出せたら、それぞれのキーワードの特徴やニーズごとにグループ分けしていきましょう。
具体的なグルーピング例としては以下のような項目が考えられますが、自社サイトの訴求サービスや商品によって内容が変わる部分です。洗い出したキーワードを俯瞰的にみながら、大分類となるカテゴリが何になるかをしっかりと検討しましょう。
<代表的なグルーピング項目>
・商品名
・価格
・機能
・事例、クチコミ
・地域
・悩み、課題
グループ分けをしたら、それぞれのカテゴリでユーザーが求めている結果を検討し、各グループにどのようなコンテンツを提供すればいいかを考えていきます。
例えば、「注文住宅 相場」などは価格のグルーピングに当てはまりますが、このような検索をするユーザーは価格帯別にどのような注文住宅が建てられるか情報収集している場合が多いでしょう。この場合は、自社の事例を交えつつ価格帯別の住宅イメージを自社サイトで紹介するコンテンツが適切です。
また、この段階で自社サイトで提供できるコンテンツに当てはまらないキーワードは除外しましょう。
キーワードごとの上位サイトと検索ボリュームを確認する
キーワードのグルーピングができたら、それぞれのキーワードごとに検索ボリュームを確認し採用するキーワード群を選定していきます。
キーワードの検索回数が大きければ大きいほど、ユーザーに多く検索されているということになります。一方で検索回数が少ないキーワードはニッチなニーズに応えられる可能性が高まります。
検索ボリュームの確認ができたら、できるだけ検索回数が大きいものと小さいものの両方をバランスよく選定するといいでしょう。
また、候補となるキーワードが絞れたら実際に検索してみることも大切です。検索結果の上位に表示されるサイトがそのまま競合サイトとなりますので、上位表示されているコンテンツに比べて自社で優位性を出せる部分があるかどうかも考慮しつつ、キーワードを厳選しましょう。
キーワードを決定する
最終的にキーワードを決定するポイントは、自社サイトの目的としている成果を達成するために有力なキーワードがどれかを見極めることです。
例えば、自社サイトの目的が「潜在顧客への認知拡大・見込み顧客の育成」などの場合は、できるだけ多くのユーザーにサイトを認知してもらえるようビックキーワードを中心にコンテンツ制作をしていく必要があります。
一方でコンテンツを通して商品やサービスの購入を目的としている場合は、「商品名 価格」など具体的なキーワードを狙う必要があります。
ただし、よりニーズが具体的なキーワードはその分検索ボリュームも少ないことが多いことを念頭に入れつつコンテンツを作成しましょう。
SEOでキーワードを選定する際に便利な無料ツール
ここからはSEOのキーワード選定で利用すると便利な無料ツールを紹介します。
キーワード選定の際に必要なサジェストキーワード、関連キーワードの調査や、自社サイトの流入キーワード調査、検索ボリューム調査などの作業にはツールを使う必要があります。
キーワード選定に必要なツールは無料で利用できる高機能なものが多くあるため、以下を参考にうまく活用していきましょう。
Googleトレンド
Googleトレンドは、Googleが提供する無料ツールです。Googleトレンドでは指定したキーワードの検索ボリュームや、検索回数が直近で大幅に増えたトレンドワードの調査が可能です。
地域別、年齢別に検索されているキーワードなども調査できるため、自社サイトがターゲットとしている属性のユーザーがどのようなキーワードで検索しているか、簡単に調べることができます。
Google Search Console
Google Search ConsoleもGoogleが提供している無料ツールです。Google Search Consoleでは、自社サイトが特定のキーワードで検索された際の検索順位や、自然検索で自社サイトに流入してきたユーザーの検索ワードなどがわかります。
Google Search Consoleはキーワード選定の際にも活用できますが、定期的に自社サイトが狙ったキーワードの検索結果で何位に表示されているか効果検証する際にも利用できる便利なツールです。
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、軸となるキーワードのサジェストキーワードを一括で取得できるツールです。
ラッコキーワードを使えば、毎回検索窓に調べたいキーワードを入力して調べる手間が省けます。また、「商品名 価格」など掛け合わせワードのサジェストも表示されるため、キーワード選定作業を効率化できます。
なお、以前は無制限で利用可能でしたが、現在は1日20回の利用制限があります。調査したいキーワードが多い場合は無料ID登録を行いましょう。
Googleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは検索ボリュームやキーワードの候補などを調査できる無料ツールです。
Google広告を利用しているアカウントであれば、より多くの機能が使えますが、Googleキーワードプランナーのみを利用する場合は、検索ボリュームが「1〜100」など概算で表示されます。
大まかな検索ボリュームを調べるのには十分利用できますので、ぜひ活用してみましょう。
ハウスメーカー・工務店がSEOのキーワード選定で押さえておきたいポイント
キーワード選定ではいくつかのポイントを意識することで、成果が上がりやすくなるコツがあります。ここでは、ハウスメーカー・工務店向けにキーワード選定を行う場合に押さえておくべきポイントを紹介します。
ロングテールキーワードを狙う
キーワードを選定する際に意識したいのは、よりニーズが顕在化しているキーワードを狙うことです。これをロングテールキーワードと呼びます。
具体的には、「注文住宅」というキーワード単体ではなく、「注文住宅 千葉県 事例」などいくつかの単語を組み合わせて検索されているキーワードです。
ロングテールキーワードは単一単語で検索されるビックキーワードに比べて、ユーザーが求めていることが明確なため、購入意欲も高いユーザーが多い可能性があります。
これらのキーワード群で検索しているユーザーをうまく集客できれば、その後の来場予約や相談会などのコンバージョンへつなげやすいでしょう。
検索ニーズが多く、競合が少ないキーワードを見つける
次に意識したいのが、検索ニーズが多く競合が少ないキーワードを見つけることです。なぜなら、ユーザーのニーズがあり競合が少ないキーワードは検索上位を狙いやすく、上位表示された際に高い集客効果を期待できるからです。
さらに、該当するキーワードで自社の強みを活かせることが重要です。あまりキーワード数は多くない可能性がありますが、条件に合うキーワードが見つかった場合は積極的に選定しましょう。
また裏を返すと、ユーザーニーズがなく、競合が多いキーワードを選定しても成果にはつながりにくいため注意が必要です。
選定したキーワードの検索順位を定期的に検証する
選定したキーワードに応じたコンテンツを公開した後は、定期的に狙ったキーワードでの検索順位を確認し、自社サイトが何位に表示されているか検証しましょう。
施策が適切であれば早ければ1ヶ月ほどで効果が出る場合もありますが、3ヶ月から半年は定期的に順位の推移を確認することが大切です。
一定期間がたっても検索順位が向上しないキーワードがある場合は、コンテンツの内容の見直しや選定したキーワードが自社サイトのコンテンツにマッチしているか改めて見直し、PDCAを回しましょう。
ハウスメーカー・工務店のSEOマーケティングはFREEDOM X株式会社のマーケティング室へ
SEOのキーワード選定はコンテンツマーケティングの中でも重要な工程のひとつです。キーワード選定を間違えると検索結果の上位に表示されるもののターゲットに届かなかったり、想定する成果をあげられなかったりする可能性があります。
キーワード選定を行う際は、検索ボリュームだけではなく自社の強みを活かせるかどうか、ユーザーのニーズがどこにあるかをしっかりと分析し慎重に選ぶことが大切です。
私たちFREEDOM X株式会社のマーケティング室は、年間棟数約400棟の設計事務所であるフリーダムアーキテクツから独立し、住宅・不動産業界専門のWebマーケティング支援を行っています。
サイトをSEOの観点から分析し、適切なキーワードを選定したい場合はぜひ一度FREEDOM X株式会社のマーケティング室へご相談ください。
SEOのキーワード選定に関するよくある質問
SEO対策でキーワードを選定するにはどうすればいいですか?
キーワード選定のために以下の4つのステップを踏むと良いでしょう。
1. ターゲットとなるユーザーの理解:あなたの商品やサービスを必要とするユーザーがどのようなキーワードを検索するかを理解することが重要です。
2. キーワードリサーチ:Googleのキーワードプランナーや他のSEOツールを使用して、ユーザーが検索する可能性のあるキーワードをリストアップします。
3. 競合分析:選定したキーワードについて、競合他社がどの程度強くランキングしているかを分析します。競争が激しいキーワードはランキング上位に表示されるのが難しいため、競争が少ないニッチなキーワードを見つけることも重要です。
4. キーワードの選定:上記の情報を基に、最終的なキーワードを選定します。この際、検索ボリューム(検索される頻度)と競争度をバランス良く考慮することが重要です。
これらのステップを踏むことで、SEO対策に効果的なキーワードを選定することができます。
キーワードの選定とは何ですか?
キーワードの選定とは、特定の目的や目標に向けて最も効果的な言葉やフレーズを選び出すプロセスのことを指します。例えば、SEO(検索エンジン最適化)の観点から見ると、キーワードの選定はウェブサイトが検索エンジンの結果ページで高い位置に表示されるために重要なステップです。適切なキーワードを選定することで、目的のユーザーに対してウェブサイトの存在を効果的に伝えることができます。また、マーケティングや広告の分野でも、ターゲットとする顧客に対して商品やサービスを効果的にアピールするためのキーワード選定が重要となります。
SEOでキーワードの優先度は?
SEOにおけるキーワードの優先度は、以下の要素によって決定されます。
1. 検索ボリューム:そのキーワードがどれだけの頻度で検索されているかを示します。高い検索ボリュームを持つキーワードは、より多くのトラフィックを引き付ける可能性があります。
2. 競争度:そのキーワードに対する競争がどれだけ激しいかを示します。競争度が高いキーワードは、ランキング上位に表示されるのが難しいかもしれません。
3. 関連性:そのキーワードがあなたのビジネスやコンテンツとどれだけ関連しているかを示します。関連性が高いキーワードは、より質の高いトラフィックを引き付ける可能性があります。
これらの要素を考慮して、最も効果的なキーワードを選択し、その優先度を決定します。
SEO対策としてキーワードはいくつくらい設定すればいいですか?
SEO対策としてのキーワード設定は、一概に決められるものではありません。しかし、一般的には、主要なキーワードを5~10個、その派生キーワードを20~30個設定することが推奨されています。これはあくまで目安であり、ウェブサイトの内容や目指す目標により変わることもあります。また、キーワードの設定だけでなく、それらを適切にウェブサイト内のコンテンツに組み込むことも重要です。適切なキーワード設定とその使用方法については、SEO専門家の意見や最新のSEO対策ガイドを参照することをお勧めします。